Atarashift 企業向けブログ
外国人採用のための実務ガイド
在留資格の基礎から選考、入社後の定着まで。外国人材の採用に取り組む担当者の方へ、実務で使える情報をお届けします。
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海外の外国人材を採用するときの在留資格認定証明書(COE)の申請から入社までの流れを解説。審査期間の実績、カテゴリー別の書類、2026年4月の変更点も紹介します。
海外に住む外国人材を採用するときは、企業が在留資格認定証明書(COE)を申請します。交付されたCOEを本人に送り、本人が現地の日本大使館・総領事館で査証(ビザ)を取得して入国します。内定から入社までは、おおむね3〜4か月を見込むのが現実的です。
COEの標準処理期間は1〜3か月です。「技術・人文知識・国際業務」の場合、2025年7月から2026年7月までの審査日数は月平均49.8〜71.8日でした。この記事では、申請から入社までの流れと、審査を長引かせないための準備を企業の側から整理します。
この記事のポイント
- COEは企業の職員が代理で申請でき、オンライン申請も可能です。手数料はかかりません。
- 「技術・人文知識・国際業務」のCOE審査は、2025年7月〜2026年7月の平均で60.4日でした。4月入社前の2月が最も長く、71.8日です。
- COEは交付から3か月以内に入国しないと効力を失います。
- 2026年4月15日から、カテゴリー3・4の企業は「所属機関の代表者に関する申告書」の提出が必要です。
- 語学を主に使う対人業務では、CEFR B2相当の語学力が前提になり、カテゴリー3・4は申請時に証明資料を出します。
在留資格認定証明書は、外国人が日本で行う活動が、在留資格の条件に合っていることを出入国在留管理庁が事前に証明する書類です。英語ではCertificate of Eligibility、略してCOEと呼ばれます。
COEは査証(ビザ)そのものではありません。ただし、COEがあると、大使館での査証審査と、空港での上陸審査がスムーズに進みます。海外から外国人材を呼び寄せる場合は、原則としてこの手続きが必要です。
すでに日本に住んでいる留学生などを採用する場合は、COEではなく在留資格変更許可申請になります。この記事では、海外から採用するケースを扱います。
申請は外国人本人もできますが、実務では受入れ企業の職員が代理で行うのが一般的です。行政書士などの申請取次者に依頼することもできます。
企業の職員が申請する場合は、企業の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署が申請先です。在留申請オンラインシステムの利用申出が承認されていれば、窓口に行かずにオンラインで申請できます。
COEの交付に手数料はかかりません。行政書士に依頼する場合は、その報酬が別に発生します。2023年3月17日からは、COEを電子メールで受け取れるようになりました。紙のCOEを海外へ郵送する時間を省けます。
海外から専門職を採用する場合、多くは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で申請します。COEを申請する前に、次の3点を満たしているか確認しておくと、不許可のリスクを下げられます。
1. 業務内容が在留資格に当てはまるか。 大学などで学んだ専門的な知識や技術を使う業務であることが必要です。出入国在留管理庁は、求人に「未経験可、すぐに慣れます」と書くような業務は対象にならないとしています。
2. 学歴や職歴が業務と関連しているか。 エンジニアや企画などの業務では、関連する科目を専攻して大学を卒業しているか、日本の専門学校を修了しているか、10年以上の実務経験が必要です。翻訳・通訳、広報、海外取引などの業務では、原則として3年以上の実務経験が必要です。ただし、大学を卒業した人が翻訳・通訳や語学の指導に就く場合、実務経験は不要です。
3. 報酬が日本人と同等額以上か。 同じ業務に日本人が就く場合と同等額以上の報酬が必要です。通勤手当や住宅手当など、実費弁償の性格を持つ手当は、原則として報酬に含まれません。
出入国在留管理庁は、受入れ企業を規模に応じて4つのカテゴリーに分けています。カテゴリーによって提出書類が大きく変わり、規模が大きい企業ほど書類は簡略化されます。
| カテゴリー | 主な該当企業 | 提出書類の目安 |
|---|---|---|
| カテゴリー1 | 上場企業、国・地方公共団体、独立行政法人など | 申請書と証明書類のみ(その他は原則不要) |
| カテゴリー2 | 前年の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業など | 申請書と法定調書合計表の写し(その他は原則不要) |
| カテゴリー3 | 前年の法定調書合計表を提出した企業(カテゴリー2を除く) | 雇用契約書、学歴・職歴の証明、登記事項証明書、決算書など |
| カテゴリー4 | 上記のいずれにも該当しない企業(新設法人など) | カテゴリー3の書類に加え、法定調書合計表を出せない理由の資料など |
カテゴリーは、前年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」で判断されます。設立直後で合計表がない企業は、カテゴリー4になります。まず自社のカテゴリーを確認してから、書類の準備に入るのが効率的です。
「技術・人文知識・国際業務」の申請で、2026年4月15日以降、2つの変更がありました。
1つ目は、カテゴリー3・4の企業に「所属機関の代表者に関する申告書」の提出が求められるようになったことです。COEの申請だけでなく、在留資格の変更申請でも必要です。
2つ目は、語学力の扱いです。翻訳・通訳やホテルのフロントなど、主に語学力を使う対人業務では、CEFR B2相当の語学力が前提とされました。カテゴリー3・4の企業は、申請時に証明資料を提出します。カテゴリー1・2でも、審査の過程で提出を求められることがあります。
日本語の場合、次のいずれかに当たればB2相当とみなされます。
エンジニアや事務職など、語学を主に使う業務でない場合は、原則として提出は不要です。語学力の要件は、外国人採用で求める日本語レベルの記事で詳しく解説しています。
海外からの採用は、次の7つのステップで進みます。
入社日から逆算して計画を立てるのが確実です。目安は次のとおりです。
| ステップ | 期間の目安 |
|---|---|
| 書類の準備 | 1〜3週間 |
| COEの審査(技術・人文知識・国際業務の月平均) | 50〜72日 |
| 査証(ビザ)の審査 | 通常5業務日 |
| 渡航準備と入国 | 1〜3週間 |
| 合計(内定から入国まで) | おおむね3〜4か月 |
審査日数は時期によって変わります。「技術・人文知識・国際業務」のCOE審査は、2025年8月の52.6日から2026年2月の71.8日まで延び、2026年7月には49.8日に戻りました。出入国在留管理庁も、4月入社に向けて申請が増える時期は審査に時間がかかるとしています。4月入社を予定する場合は、前年の12月までに申請するのが安全です。
COEは交付日から3か月以内に入国しないと効力を失います。入国が遅れると、原則として申請をやり直すことになります。本人の退職交渉や引っ越しの時期も含めて、入国日を早めに固めておきましょう。
審査が長引く原因は、企業側で事前に防げるものが多くあります。
1. 学歴・職歴と業務内容の関連性。 「技術・人文知識・国際業務」では、大学等での専攻や職歴と、従事する業務の関連性が審査されます。関連性の説明が弱いと、追加資料を求められます。職務内容は具体的に書きましょう。
2. 追加資料の依頼。 出入国在留管理庁の審査日数には、追加資料の提出を待つ期間も含まれます。依頼が来たら、数週間ではなく数日で返すのが理想です。
3. カテゴリー4の企業。 新設企業は、事業の安定性や継続性を示す必要があります。事業計画書の内容が具体的であるほど、審査はスムーズです。
4. 結核スクリーニング。 一部の国の出身者には、入国前の結核スクリーニングが求められています。フィリピンとネパールは2025年6月23日から、ベトナムは2025年9月1日から対象です。インドネシア、ミャンマー、中国も対象になる予定です。
入社後は、企業として次の手続きが必要です。
在留カードを確認する際は、出入国在留管理庁の在留カード等読取アプリを使うことが外国人雇用管理指針で適切とされています。2026年の指針改正の内容は、外国人雇用管理指針の改正に関する記事にまとめています。
海外の人材の採用を検討している企業は、Atarashiftで、日本で働きたい海外人材とつながる方法もご覧ください。
標準処理期間は1〜3か月です。「技術・人文知識・国際業務」では、2025年7月から2026年7月までの月平均が49.8〜71.8日でした。4月入社前の時期は長くなる傾向があります。
かかりません。行政書士に申請を依頼する場合は、その報酬が別に必要です。査証(ビザ)については、国籍によって手数料がかかる場合があります。
はい。受入れ企業の職員が代理人として申請できます。在留申請オンラインシステムの利用申出が承認されていれば、オンラインでも申請できます。
交付日から3か月です。その期間内に日本に入国し、上陸の申請をする必要があります。
窓口で申請した場合は、申請先の地方出入国在留管理官署に問い合わせます。オンラインで申請した場合は、在留申請オンラインシステムで状況を確認できます。
審査日数は、出入国在留管理庁が毎月公表している「在留審査処理期間」から、2025年7月から2026年7月までの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書交付の数値を抜き出しました。13か月平均の60.4日は、Atarashift編集部が計算したものです。同庁によると、この日数には追加資料の提出を待つ期間が含まれ、不交付や取下げは含まれません。
申請者、申請先、手数料、電子メールでの受領、標準処理期間は、出入国在留管理庁の「在留資格認定証明書交付申請」のページによります。カテゴリーの区分、代理申請、語学力の証明が必要な業務は、同庁の「就労資格の在留諸申請に関連してお問い合わせの多い事項について(Q&A)」(2026年7月)によります。
在留資格の要件(業務内容、学歴・職歴、報酬)と、2026年4月15日以降の追加書類、CEFR B2相当の条件は、同庁の「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」のページと、「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」(本文と別紙4)によります。COEの有効期間(2022年8月1日以降に作成されたものは3か月)は、同庁の「在留資格認定証明書の有効期間に係る新たな取扱いについて」(2022年6月22日)によります。
査証の審査期間は外務省の「査証取得までの必要日数」、結核スクリーニングの対象国と開始日は厚生労働省の「JPETS よくある質問」によります。届出の期限は、厚生労働省の「外国人雇用状況の届出」のページによります。情報は2026年9月30日時点のものです。
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