Atarashift 企業向けブログ
外国人採用のための実務ガイド
在留資格の基礎から選考、入社後の定着まで。外国人材の採用に取り組む担当者の方へ、実務で使える情報をお届けします。
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採用予定の外国人材が「高度専門職」の70点に届くかを企業が確認する方法を、配点の早見表と証明書類の一覧で解説。申請の流れ、優遇措置、2号、J-Skipも出入国在留管理庁の資料で整理します。
採用予定の外国人材が70点に届くかは、企業側でも事前に試算できます。使うのは、出入国在留管理庁が公開している『ポイント計算表』です。学歴、職歴、年収、年齢と加算項目の点数を足し、合計が70点以上かを確かめます。
70点以上なら、点数を裏づける書類をそろえて申請します。海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書交付申請です。国内にいる人は、原則として在留資格変更許可申請です。本記事では、配点の早見表と書類の一覧を中心に、企業が準備することを整理します。
高度人材ポイント制は、2012年(平成24年)5月7日に導入された制度です。ポイントの合計が70点に達した外国人材に、在留資格「高度専門職」と出入国在留管理上の優遇措置が与えられます。評価項目と配点は法務省令で定められています。
活動の内容によって、次の3つの類型に分かれます。
一般企業が技術者や企画職などを採用する場合、多くは1号ロに当たります。前提として、業務が「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格に当たる必要があります。在留資格の選び方は「技術・人文知識・国際業務と特定技能の違い」でも解説しています。
出入国在留管理庁によると、2026年6月末の「高度専門職」の在留者は34,474人です。前年末から4.6%増えました(出入国在留管理庁 令和8年6月末の在留外国人数)。
内訳は、1号ロが24,257人で最も多くなっています。1号ハは4,953人、1号イは3,026人、2号は2,238人です(同資料 第3表)。企業で働く専門職の多くが、1号ロで受け入れられていることがわかります。
確認は、次の4つの手順で進めると漏れを防げます。
年収とは、申請後に受け取る予定の報酬の年額です。過去の年収ではありません。主たる受入機関から受ける報酬で、賞与も含まれます。海外の機関からの転勤の場合は、その機関から受ける報酬も算入します。
職歴として数えるのは、これから従事する業務に関する実務経験だけです。別の職種での経験は含まれません。
4つ目の手順が特に大切です。本人の申告だけで点数を数えると、書類がそろわずに70点を下回ることがあります。
出入国在留管理庁の『ポイント計算表』をもとに、主な配点を一覧にしました。「なし」は、その類型では点数の対象にならない項目です。
| 項目 | 1号イ(研究) | 1号ロ(専門・技術) | 1号ハ(経営・管理) |
|---|---|---|---|
| 博士号 | 30 | 30 | 20 |
| 修士号 | 20 | 20 | 20 |
| 大学卒業 | 10 | 10 | 10 |
| 経営管理の専門職学位(MBA、MOT) | なし | 25(修士の20に代えて) | 25(修士の20に代えて) |
| 複数分野の博士・修士・専門職学位 | 5 | 5 | 5 |
| 職歴 10年以上 | 15(7年以上と同じ) | 20 | 25 |
| 職歴 7年以上 | 15 | 15 | 20 |
| 職歴 5年以上 | 10 | 10 | 15 |
| 職歴 3年以上 | 5 | 5 | 10 |
| 年収 | 10〜40 | 10〜40 | 10〜50 |
| 年齢 30歳未満 | 15 | 15 | なし |
| 年齢 30〜34歳 | 10 | 10 | なし |
| 年齢 35〜39歳 | 5 | 5 | なし |
| 研究実績 | 20〜25 | 15 | なし |
| 合格点 | 70 | 70 | 70 |
出典:出入国在留管理庁 ポイント計算表(PDF)。1号ハの博士号は「博士号又は修士号」で20点です。
1号ハの年収は、1,000万円以上で10点、1,500万円以上で20点です。2,000万円以上で30点、2,500万円以上で40点、3,000万円以上で50点となります。
1号イ・ロの年収は、年齢によって点数がつく下限が異なります。若い人ほど、低い年収でも点数がつく仕組みです。
| 年収 | 30歳未満 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40歳以上 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円以上 | 40 | 40 | 40 | 40 |
| 900万円以上 | 35 | 35 | 35 | 35 |
| 800万円以上 | 30 | 30 | 30 | 30 |
| 700万円以上 | 25 | 25 | 25 | なし |
| 600万円以上 | 20 | 20 | 20 | なし |
| 500万円以上 | 15 | 15 | なし | なし |
| 400万円以上 | 10 | なし | なし | なし |
出典:出入国在留管理庁 ポイント計算表(PDF)の「年収配点表」
たとえば40歳以上の人は、年収800万円未満では年収の点数がつきません。点数の基準は、申請の時点で満たしていれば、許可の時点でも満たすものとみなされます。
基本項目に加えて、次のような加算があります。勤務先の企業に関する加算項目もあるため、企業側でも確認しておくと有利です。
N1・N2と同等以上と認められる試験の結果でも、加算の対象になります。ポイント計算表では、BJTビジネス日本語能力テストの480点以上がN1、400点以上がN2の例として示されています。
次の候補者の点数を、1号ロで計算してみます。32歳、海外の大学院で修士号を取得、職歴5年、予定年収600万円、日本語能力試験N2の人です。
合計は70点で、ちょうど合格点に届きます。ただし、どれか1つでも書類で証明できなければ70点を下回ります。ぎりぎりの場合は、加算項目も確認し、点数に余裕を持たせると安心です。
出入国在留管理庁は、項目ごとの証明書類の基本例を公開しています。主なものを下の表にまとめました。
| 項目 | 証明書類の基本例 |
|---|---|
| 学歴 | 卒業証明書と学位取得の証明書 |
| 職歴 | 業務に従事した期間と内容を示す資料(前の勤務先が作成したもの) |
| 年収 | 受け取る予定の年収を示す文書 |
| 研究実績 | 特許証の写し、論文の一覧など |
| 日本の国家資格 | 合格証明書の写しなど |
| 日本語能力 | 合格証明書等の写し、日本語専攻の卒業証明書 |
| 告示で定める大学 | 大学が対象であることを示す資料と卒業証明書 |
| イノベーション支援 | 補助金交付決定通知書の写しなど |
| 中小企業であること | 会社案内等と、登記事項証明書や従業員数を示す資料 |
| 試験研究費等3%超 | 財務諸表の写し、税理士等による証明書など |
| 地位(1号ハ) | 代表取締役や取締役であることを示す文書 |
出典:出入国在留管理庁 ポイント計算表の各項目に関する疎明資料(基本例)
書類は、70点以上あることを確認できる分だけ提出すれば足ります。該当する項目すべての書類を出す必要はありません。
日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のものが必要です。外国語の書類には、日本語の訳文を添付します。職歴の証明は前の勤務先が作るため、早めに本人に依頼しておくと手続きが滞りません。
申請書と書類に加えて、ポイント計算表(参考書式)を1通提出します。類型に応じて、イ・ロ・ハのいずれかの分野のものを使います。申請先は地方出入国在留管理局です。
在留資格認定証明書交付申請で、「高度専門職1号」の認定を申し出ます。この申請は、受け入れる企業の職員などが代理で行えます。審査では、上陸の条件を満たすかとあわせて、点数も確認されます。
70点に届かなくても、ほかの就労資格の条件を満たせば道があります。本人が希望すれば、その在留資格で認定証明書が交付されます。手続き全体の流れは「在留資格認定証明書の申請の流れ」で解説しています。
原則として、在留資格変更許可申請を行います。審査では、70点以上であることと在留状況が良好であることが確認されます。不許可でも、現在の在留資格の期間が残っていれば、その在留資格で在留を続けられます。
注意したいのは、今の在留資格が「留学」「家族滞在」「定住者」などの人です。この場合は、まず在留資格認定証明書の交付を受け、その後に変更を申請します。「技能実習」や「短期滞在」などからの変更は、原則として受け付けられません。
留学生の在留資格変更の一般的な手順は「留学生の在留資格変更」をご覧ください。
ここは見落としやすい点です。「高度専門職1号」は、所属機関の変更を含めて活動内容が変わると、在留資格変更許可申請が必要です。前の会社で認められた在留資格のまま働けるわけではありません。
入社日から逆算し、新しい勤務先の条件で計算し直したポイント計算表を用意します。年収や職歴が変われば、点数も変わります。中途採用の手続き全体は「外国人の中途採用の手続き」で確認できます。
在留中は、常に70点以上を保つことまでは求められません。年齢による点数が下がっても、直ちに在留できなくなるわけではありません。ただし、在留期間の更新の申請時に70点未満であれば、更新は許可されません。
更新の時期には、改めて点数を試算しておくと安心です。更新手続きは「在留期間更新で企業がすること」にまとめています。
「高度専門職1号」には、次の7つの優遇措置があります(出入国在留管理庁 優遇措置の説明)。
永住許可には、原則として10年以上の在留が必要です。70点以上を3年間継続して維持していれば、永住許可の対象になります。80点以上なら、継続1年で対象になります。ほかの永住許可の要件は別に満たす必要があります。
審査の目安は、入国前の審査で受理から10日以内です。在留審査の申請では、受理から5日以内とされています。ただし、書類の確認が必要な場合などは目安を超えることがあります。
親の帯同は、7歳未満の子を養育する場合などに認められます。世帯年収が800万円以上で、同居することが条件です。家事使用人の雇用は、世帯年収1,000万円以上で、月額20万円以上の報酬を支払うことなどが条件です。
「高度専門職1号」などで3年以上活動した人は、「高度専門職2号」へ変更を申請できます。2号でも、ポイントの合計が70点以上であることが必要です。素行が善良であることなども求められます。
2号になると、在留期間が無期限になります。1号の活動とあわせて、就労資格で認められるほぼすべての活動ができます。永住許可の要件緩和や配偶者の就労など、1号の優遇措置の一部も続きます。
2号の申請では、直近の住民税や国税の納付状況、公的年金・医療保険の納付状況も確認されます。企業が社会保険の手続きを適切に行うことは、社員の2号への移行にも関わります。
J-Skipは、2023年4月に導入された制度です。ポイント制とは別に、学歴または職歴と年収の水準で「高度専門職」を与えます(出入国在留管理庁 特別高度人材制度)。
| 類型 | 要件 |
|---|---|
| 1号イ・ロ | 修士号以上かつ年収2,000万円以上 |
| 1号イ・ロ | 実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上 |
| 1号ハ | 経営・管理の実務経験5年以上かつ年収4,000万円以上 |
特別高度人材は、通常の優遇措置に加えて、大規模空港などのプライオリティレーンを使えます。「高度専門職2号」へは1年以上の活動で移行でき、永住許可までの在留期間も1年です。年収の基準が高いため、対象は経営幹部や高度な専門人材に限られます。
申請時に、ポイント計算表(参考書式)を提出します。海外から呼び寄せる場合は、受け入れる企業の職員などが申請できます。企業側で試算し、本人と書類を確認しながら進めると確実です。
含まれます。ポイント計算表では、賞与も年収に含まれると明記されています。年収は過去の実績ではなく、申請する活動で受け取る予定の額です。
「高度専門職」としては認められません。ただし、海外から呼び寄せる場合は、別の道があります。ほかの就労資格の条件を満たし、本人が希望すれば、その在留資格で認定証明書が交付されることがあります。点数が近い場合は、日本語能力や企業側の加算項目を確認してください。
直ちに失うわけではありません。ただし、更新の申請時に70点未満であれば、更新は許可されません。
「高度専門職1号」は、所属機関の変更を含めて活動内容が変わると、在留資格変更許可申請が必要です。受け入れる側の企業は、新しい条件でポイントを計算し直します。
「高度専門職」の判定は、ポイント計算表で点数を足し、書類で裏づけることに尽きます。企業が年収や加算項目の情報を早めに渡すと、本人の準備も進めやすくなります。専門性の高い外国人材の採用をお考えの企業は、Atarashiftで日本での就職を目指す人材と出会えます。
本記事は一般的な情報の提供を目的としています。個別の申請は、地方出入国在留管理局または専門家にご確認ください。内容は2026年11月6日時点の出入国在留管理庁の資料で確認しています。
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