Atarashift 企業向けブログ
外国人採用のための実務ガイド
在留資格の基礎から選考、入社後の定着まで。外国人材の採用に取り組む担当者の方へ、実務で使える情報をお届けします。
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在留資格の基礎から選考、入社後の定着まで。外国人材の採用に取り組む担当者の方へ、実務で使える情報をお届けします。
日本に住む外国人材を中途採用するときの手続きを、内定前の在留カード確認から入社後の届出まで順に解説します。就労資格証明書の使い方と、2026年6月からの新しい在留カードの注意点も紹介します。
日本に住む外国人材を中途採用する場合、多くは新たな在留資格の申請をせずに入社できます。仕事の内容が今の在留資格の範囲に収まっていれば、在留期間もそのまま使えます。ただし企業には、在留カードで就労の可否を確認し、仕事の内容が在留資格に合うかを判断する責任があります。
入社後は、本人が14日以内に出入国在留管理庁へ届け出ます。企業は、雇入れの翌月10日までにハローワークへ届け出ます。この記事では、国内在住の外国人材を中途採用するときに企業がすべきことを、時期の順に整理します。
この記事のポイント
- 「技術・人文知識・国際業務」の人は、新しい仕事が在留資格の範囲内なら、許可の申請なしで入社できます。
- 「高度専門職」と「特定技能」は、勤務先が変わると在留資格変更の許可が必要です。許可の前に働かせることはできません。
- 在留カードでは、在留資格、在留期間の満了日、就労制限の有無を確認します。2026年6月14日以降の新しいカードには「在留期間」が記載されません。
- 就労資格証明書は任意ですが、新しい仕事が在留資格に合うことを入社前後に確認できます。勤務先が変わった場合の処理期間は1〜3か月です。
- 入社後は、本人が14日以内に入管へ届け出て、企業は翌月10日までにハローワークへ届け出ます。
必要かどうかは、本人の在留資格で決まります。多くの中途採用で対象になるのは「技術・人文知識・国際業務」です。この在留資格では、在留カードに勤務先が記載されません。新しい仕事が同じ在留資格の活動に当たれば、許可の申請は不要です。
一方で、勤務先が指定されている在留資格もあります。この場合は、入社前に在留資格変更許可を受ける必要があります。許可が出るまでは、新しい会社で働かせることはできません。
| 本人の在留資格 | 転職時の手続 | 企業が注意すること |
|---|---|---|
| 「技術・人文知識・国際業務」など | 業務が在留資格の範囲内なら申請不要 | 業務内容が在留資格に合うかを確認 |
| 「高度専門職」 | 在留資格変更許可が必要 | 指定書に記載の勤務先が変わるため |
| 「特定技能」 | 在留資格変更許可が必要 | 受入れ機関と分野ごとに許可されるため |
| 「特定活動」 | 指定書の内容による | 指定書に勤務先があれば変更許可が必要 |
| 「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」 | 不要 | 就労制限なし |
| 「留学」「家族滞在」 | 正社員として雇うなら変更許可が必要 | 資格外活動許可は週28時間以内 |
外国人材の数は増えています。厚生労働省の「外国人雇用状況」によると、専門的・技術的分野の在留資格で働く人は865,588人でした(2025年10月末)。前年から20.4%増え、在留資格別で最も多くなっています。
在留カードの確認は、内定を出す前に行います。確認するのは、表面の3つの項目と、裏面の資格外活動許可欄です。
| 就労制限の有無の記載 | 意味 |
|---|---|
| 就労制限なし | 仕事の内容に制限はありません |
| 在留資格に基づく就労活動のみ可 | その在留資格で認められた仕事だけができます |
| 指定書により指定された就労活動のみ可 | 「特定活動」です。旅券に添付された指定書を確認します |
| 就労不可 | 原則として雇用できません。裏面の資格外活動許可欄を確認します |
「留学」や「家族滞在」の人は、裏面に資格外活動許可の記載があれば、原則週28時間以内で働けます。複数の勤務先がある場合は、合計で28時間以内です。
2026年6月14日から、新しい様式の在留カードが交付されています。マイナンバーカードの機能を持つ「特定在留カード」もあります。新しいカードの券面には、「在留期間」「許可の種類」「許可年月日」「交付年月日」が記載されません。在留期間の満了日は、これまでどおり記載されます。
これらの項目は、出入国在留管理庁の「在留カード等読取アプリケーション」で確認できます。2026年8月19日以降のバージョンでは、在留期間、許可の種類、許可年月日が表示されるようになりました。特定在留カードは、デジタル庁の「マイナンバーカード対面確認アプリ」(現時点ではiOS版のみ)でも読み取れます。
読取アプリで読んだ情報と券面を見比べると、偽変造を見分けられます。同じページの「失効情報照会」では、カードの番号が失効していないかも確認できます。アプリの導入は、人事担当者の端末で事前に済ませておくと安心です。
在留資格で認められていない仕事をさせると、企業は不法就労助長罪に問われます。罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、両方が科されることもあります。2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられます。
入管法は、「知らなかった」ことを理由に処罰を免れることはできないと定めています。例外は、過失がないときだけです。出入国在留管理庁は、在留カードを確認していない場合などは処罰を免れないと説明しています。確認の記録として、在留カードの写しと確認日を残しておきます。
改正後の雇用管理の考え方は、「外国人雇用管理指針の改正(2026年)」で解説しています。
「技術・人文知識・国際業務」で認められるのは、専門的な知識や技術を使う仕事です。たとえばエンジニア、企画、営業、経理、通訳・翻訳などです。現場での単純な作業は認められません。
出入国在留管理庁は、実際の不許可事例を公表しています。教育学部を卒業した人が、弁当工場で箱詰め作業をする申請は不許可でした。学歴が要件を満たしていても、仕事の内容が合わなければ認められません。
報酬にも基準があります。日本人が同じ仕事をする場合の報酬と同等額以上が必要です。同時期に採用した日本人の新卒より低い報酬で申請し、不許可になった事例も公表されています。
前職と仕事の内容が大きく変わる場合は、特に注意が必要です。たとえば、エンジニアから営業へ移るケースです。判断に迷う場合は、次に説明する就労資格証明書で確認できます。
翻訳・通訳や接客など、言語を主に使う仕事に就く場合にも注意します。2026年4月からは、CEFR B2相当の語学力が前提になりました。カテゴリー3・4の企業では、次の更新で証明資料の提出が必要です。詳しくは「外国人採用で求める日本語レベル」をご覧ください。
就労資格証明書とは、外国人が行うことのできる就労活動を、出入国在留管理庁が証明する文書です。入管法第19条の2に基づきます。転職した人が申請すると、新しい勤務先での仕事が今の在留資格に合うかを審査し、合えば交付されます。
取得は義務ではありません。入管法は、就労できる活動が明らかな場合に、証明書を提示しないことを理由に不利益な取扱いをしてはならないと定めています。応募の条件にしたり、提出しない人を不採用にしたりするのは避けます。
それでも、取得には実務上のメリットがあります。新しい仕事が在留資格に合うことを、次の更新の前に確認できます。合わないと分かれば、更新の時期を待たずに配置や在留資格を見直せます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請者 | 本人(申請等取次者の承認を受けた企業の職員も提出可能) |
| 申請先 | 本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署 |
| 手数料 | 窓口2,000円、オンライン1,600円(収入印紙) |
| 標準処理期間 | 当日。勤務先を変えた場合などは1〜3か月 |
| 主な書類 | 申請書、在留カード、旅券、新しい勤務先と仕事の内容が分かる書類 |
転職後の申請は、審査に1〜3か月かかります。新しい仕事が「技術・人文知識・国際業務」の範囲内なら、この間も働けます。入社が決まったら、雇用契約書や仕事の内容の説明書を本人に渡し、早めの申請を勧めます。
入社後の届出は、本人が行うものと企業が行うものがあります。
| 届出 | 届け出る人 | 期限 | 届出先 |
|---|---|---|---|
| 所属(契約)機関に関する届出 | 本人 | 前職の契約終了と新しい契約から、それぞれ14日以内 | 出入国在留管理庁 |
| 外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者) | 企業 | 雇入れの翌月10日まで(資格取得届で兼ねる) | ハローワーク |
| 外国人雇用状況の届出(被保険者でない人) | 企業 | 雇入れの翌月末日まで(様式第3号) | ハローワーク |
本人の届出。 「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」などの人は、契約先が変わると14日以内の届出が必要です。電子届出システムを使えば、オンラインで24時間届け出られます。届出をしないと、本人が20万円以下の罰金の対象になります。届出が済んだかを、入社手続の中で確認しておくと確実です。
企業の届出。 外国人雇用状況の届出は、すべての事業主の義務です。届出をしない、または虚偽の届出をすると、30万円以下の罰金の対象になります。届出の際は在留カードで記載事項を確認しますが、写しの添付は不要です。
出入国在留管理庁への「中長期在留者の受入れに関する届出」は、努力義務です。外国人雇用状況の届出をする企業は、対象から外れます。たとえば役員として迎える場合など、雇用状況の届出の対象にならないときに検討します。
退職するときも、同じ届出が必要です。雇用保険の被保険者なら、資格喪失届を離職の翌日から10日以内に出します。
中途採用した人の在留期間は、前職のときに許可されたものです。入社後の最初の更新では、新しい勤務先として書類を用意します。カテゴリー1・2の企業は、カテゴリーを証明する文書が基本です。
カテゴリー3・4の企業では、追加の書類が必要です。本人の住民税の証明書に加え、最初の更新では雇用契約の内容、登記事項証明書、事業内容を明らかにする資料なども求められます。2026年4月15日からは、「所属機関の代表者に関する申告書」も加わりました。
在留期間の満了日が近い人を採用するときは、入社前に更新の時期と書類を本人と決めておきます。満了日までに申請していれば、処分が出るまで、または満了日から2か月が経つまでの早いほうまで、引き続き働けます。
2026年10月1日からは、更新の手数料も変わりました。許可される在留期間に応じて、窓口で1年3万3,000円、5年7万5,000円です。詳しくは「外国人社員の在留期間更新」で解説しています。
次の順に進めると、確認の漏れを防げます。
海外から採用する場合は、手続が大きく異なります。「海外から外国人材を採用する流れ」をご覧ください。
「技術・人文知識・国際業務」で、新しい仕事も同じ在留資格の範囲内なら、許可は不要です。「高度専門職」と「特定技能」は、勤務先が変わると在留資格変更の許可が必要です。許可の前に働かせることはできません。
任意での提出をお願いすることはできます。ただし、入管法は不利益な取扱いを禁じています。就労できる活動が在留カードなどで明らかなら、提出しないことを理由に不利に扱うことはできません。応募の必須条件にはしないでください。
採用できます。満了日までに更新を申請していれば、処分が出るまで、または満了日から2か月が経つまでの早いほうまで、引き続き働けます。窓口申請なら在留カード裏面の記載、オンライン申請なら受付完了メールで、申請中であることを確認します。
できます。ただし、受入れ機関が変わるため、入社前に在留資格変更の許可が必要です。企業は、特定技能の受入れ機関としての基準を満たし、1号の場合は支援計画も用意します。許可が出るまでは働かせることができません。
届出をしない、または虚偽の届出をすると、30万円以下の罰金の対象になります。雇用保険の被保険者なら、資格取得届を出せば届出を兼ねられます。期限は雇入れの翌月10日までです。
中途採用だけでは必要な人材に出会えない場合は、海外からの採用も選択肢になります。Atarashiftでは、日本で働きたい海外の人材とつながる方法をご案内しています。
所属(契約)機関に関する届出は、出入国在留管理庁の「所属(契約)機関に関する届出」のページと入管法第19条の16によります。届出をしない場合の罰金は、入管法第71条の5によります。中長期在留者の受入れに関する届出は、同庁の「中長期在留者の受入れに関する届出」のページと入管法第19条の17によります。
在留カードの記載事項と確認方法は、同庁のリーフレット「在留カードの確認方法」によります。新しい様式の在留カードと読取アプリの改修は、同庁の「在留カードとは?」のページ(2026年8月19日時点の案内)によります。
不法就労助長罪の罰則と「知らなかった」場合の扱いは、入管法第73条の2(e-Gov法令検索)によります。2027年4月1日からの引上げは、厚生労働省のリーフレット「外国人雇用管理指針改正の主なポイント」によります。
就労資格証明書の手数料、標準処理期間、提出書類は、同庁の「就労資格証明書交付申請」のページによります。不利益な取扱いの禁止は、入管法第19条の2第2項によります。仕事の内容と報酬の基準、不許可事例は、同庁の「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」と別紙3(事例)によります。
外国人雇用状況の届出の期限と罰則は、厚生労働省の「「外国人雇用状況の届出」について」のページによります。専門的・技術的分野の人数は、同省の「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」によります。更新の書類と手数料は、同庁の「在留資格「技術・人文知識・国際業務」」と「在留期間更新許可申請」のページによります。
すべての数値と制度の内容は、Atarashift編集部が一次情報で確認しました。この記事は一般的な情報であり、個別の案件の判断は出入国在留管理庁などにご確認ください。情報は2026年10月8日時点のものです。
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