Atarashift 企業向けブログ
外国人採用のための実務ガイド
在留資格の基礎から選考、入社後の定着まで。外国人材の採用に取り組む担当者の方へ、実務で使える情報をお届けします。
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在留資格の基礎から選考、入社後の定着まで。外国人材の採用に取り組む担当者の方へ、実務で使える情報をお届けします。
技人国と特定技能の違いを、任せられる業務、本人の要件、在留期間、企業の支援義務で比較します。特定技能1号の通算5年の上限や外食業の交付停止など、2026年の変更点と判断の手順も解説します。
「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)と「特定技能」の最も大きな違いは、任せられる業務です。技人国は、学歴や職歴に裏付けられた専門的な業務が対象です。特定技能は、人手不足の19分野で、現場の業務を含めて従事できます。
要件と企業の負担も異なります。技人国は学歴か実務経験が必要で、企業に支援の義務はありません。特定技能1号は試験の合格で取得でき、学歴は問いません。その代わり、通算5年の上限があり、企業には支援計画の実施や定期届出が義務付けられています。
どちらで採用するかは、企業が選ぶものではなく、任せる業務で決まります。この記事では、2つの在留資格の違いを項目ごとに整理し、判断の手順と2026年の変更点を解説します。
この記事のポイント
- 技人国は専門的・技術的な業務が対象で、単純作業は認められません。特定技能は19分野の現場業務に従事できます。
- 技人国は大学卒業などの学歴か実務経験、特定技能1号は技能試験と日本語試験(JFT-Basic又はN4以上)が要件です。
- 特定技能1号は通算5年が上限で、家族帯同も原則不可です。2号は更新の上限がなく、家族帯同も認められます。
- 特定技能では、企業に支援計画の実施、協議会への加入、年1回の定期届出などが義務付けられています。
- 外食業分野は受入れ見込数に達し、2026年4月13日から在留資格認定証明書の交付が停止されています。
主な違いを表にまとめました。特定技能は1号と2号で扱いが大きく異なるため、分けて記載しています。
| 項目 | 技術・人文知識・国際業務 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|---|
| 対象となる業務 | 専門的・技術的な業務(技術者、通訳、企画、マーケティングなど) | 19分野の業務区分に属する業務(現場業務を含む) | 11分野の熟練した業務(指導・工程管理を含む) |
| 本人の要件 | 業務に関連する学歴、又は10年以上の実務経験(国際業務は3年以上) | 技能試験と日本語試験の合格(技能実習2号の良好な修了者は免除あり) | 2号の技能試験の合格など |
| 在留期間 | 5年、3年、1年又は3月 | 3年を超えない範囲で個別に指定、通算5年まで | 3年、2年、1年又は6月、更新の上限なし |
| 家族帯同 | 可(「家族滞在」) | 原則不可 | 可(配偶者と子) |
| 企業の支援義務 | なし | 支援計画の作成・実施(登録支援機関へ委託可) | なし |
| 派遣での受入れ | 可 | 農業・漁業分野のみ可 | 農業・漁業分野のみ可 |
| 分野ごとの人数の上限 | なし | あり(全分野で80万5,700人、2029年3月末まで) | なし |
| 在留者数 | 475,790人(2025年末) | 425,961人(2026年6月末、速報値) | 18,295人(2026年6月末、速報値) |
出典:出入国在留管理庁の制度説明資料(2026年9月29日更新)、在留外国人数(2025年末)、特定技能在留外国人数(2026年6月末)。
在留者数は、2025年末時点で技人国が475,790人、特定技能が390,296人です(出入国在留管理庁、2026年)。特定技能は1年で105,830人増え、技人国の増加数57,084人を大きく上回りました。
技人国は、理学・工学などの技術や、法律学・経済学などの知識を要する業務が対象です。外国の文化に基盤を持つ思考や感受性を要する業務も含まれます。出入国在留管理庁は、機械工学の技術者、通訳、デザイナー、マーケティング業務などを例に挙げています。
本人の要件は、業務と関連する学歴か職歴です。大学卒業か、日本の専門学校で専門士を得ていることが基本です。学歴がない場合は、10年以上の実務経験が必要です。翻訳・通訳や語学指導などの国際業務では、3年以上の実務経験で足ります。
注意したいのは、現場業務の扱いです。製造ラインでの作業や、飲食店の調理・接客などを主に担当させることは、技人国では認められません。採用当初のOJTとして一時的に現場を経験させることは、一般に必要な研修として認められます。ただし、OJTが在留期間の大半を占める場合は認められません(出入国在留管理庁 Q&A、2026年)。
日本語の要件も変わりました。2026年4月15日以降、通訳や接客など言語を主に使う業務では、CEFR B2相当の言語能力が前提です。カテゴリー3・4の企業は、その証明資料の提出が必要です。
日本語能力試験N2の合格は、B2相当とみなされます。詳しくは「外国人採用で求める日本語レベル」で解説しています。
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野に限って、即戦力となる外国人材を受け入れる在留資格です。対象は19分野で、各分野はさらに業務区分に分かれています。従事できるのは、試験で確認された業務区分の業務です。
19分野は次のとおりです。
介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環
このうちリネンサプライ、物流倉庫、資源循環は、2026年1月に追加されました。物流倉庫と資源循環は、準備が整い次第、受入れが始まります。
日本人が通常行う関連業務に、付随的に従事することは認められています。ただし、関連業務だけを専ら行わせることはできません。業務区分の範囲は、分野ごとの運用要領で確認します。
2号に移行できるのは、このうち11分野です。介護、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業と、新しい3分野は1号のみです。介護分野には、別に在留資格「介護」への道があります。
特定技能1号には、分野ごとに受入れ見込数(上限)があります。外食業分野の上限は5万人です。2026年7月末の在留者数は49,290人で、充足率は98.6%でした(出入国在留管理庁、2026年)。
このため、2026年4月13日から、外食業分野の在留資格認定証明書の交付が一時停止されています。2026年9月10日時点で交付されているのは、1月31日までに受け付けた申請です。他の在留資格からの変更も、4月13日以降の受付分は原則不許可となっています。
例外は、外食業分野の中での転職や、技能実習の医療・福祉施設給食製造作業からの移行などです。飲食店で外国人材を採用する計画がある場合は、最新の審査状況を必ず確認してください。
当編集部で分野別の充足率を比較したところ、外食業の次に高いのは飲食料品製造業の76.3%でした。介護(64.2%)、建設(68.9%)も6割を超えています。上限に近い分野ほど、計画どおりに採用できないリスクがあります。
技人国では、在留資格に固有の支援義務はありません。外国人を雇用する企業として、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」などの一般的な義務を守れば足ります。
特定技能では、受入れ機関(特定技能所属機関)に多くの義務があります。主なものは次のとおりです。
支援は、登録支援機関に全部を委託できます。全部を委託すれば、企業自身の支援体制の要件も満たします。委託費は継続的に発生するため、採用コストの比較では毎月の費用として見込んでおく必要があります。
2027年4月1日からは、登録支援機関の体制要件も厳しくなります。支援責任者等を常勤から選任することや、担当者1人当たりの担当数の上限が設けられます(出入国在留管理庁、2026年)。委託先を選ぶ際は、この要件への対応状況も確認しておくと安心です。
技人国は、在留期間の更新に回数の上限がありません。家族も「家族滞在」で呼び寄せられ、永住許可の要件である就労資格での在留期間にも数えられます。長期の雇用を前提にしやすい在留資格です。
特定技能1号は、通算5年が上限です。就労していない期間や、再入国許可で出国していた期間も通算に含まれます。2号の試験で合格基準点の8割以上を得た人などは、6年まで認められる場合があります(出入国在留管理庁、2026年)。
5年を超えて雇用するには、2号への移行が必要です。2号の在留者は、2025年12月末の7,955人から、2026年6月末には18,295人へ増えました。2号は指導や工程管理を担う立場で、2026年8月20日以降、企業は業務内容に関する誓約書を提出します。
なお、2号の在留資格認定証明書交付申請では、2027年4月1日から日本語能力「B1相当以上」が必要になります。
どちらの在留資格でも、報酬は同じ業務に従事する日本人と同等以上でなければなりません。金額の下限は定められていませんが、同等性は審査で確認されます。
実際の給与には差があります。厚生労働省の2025年賃金構造基本統計調査では、所定内給与の平均は次のとおりです(厚生労働省、2026年)。
| 区分 | 所定内給与(月額) |
|---|---|
| 一般労働者全体 | 340,600円 |
| 外国人(専門的・技術的分野、特定技能を除く) | 313,200円 |
| 外国人全体 | 254,300円 |
| 外国人(特定技能) | 221,400円 |
差の背景には、業務の違いと業界全体の賃金水準があります。特定技能の分野は、日本人を含めて賃金が比較的低い業種が中心です。
在留資格の変更は、要件を満たせばどちらの方向にも可能です。ただし、それぞれの要件を一から満たす必要があります。
留学生を採用する場合は、専攻と業務の関連が判断の分かれ目です。専攻と関連する専門的な業務なら技人国、現場業務が中心なら特定技能が候補になります。特定技能を選ぶ場合は、本人が技能試験と日本語試験に合格している必要があります。手続は「留学生の新卒採用と在留資格変更」で解説しています。
特定技能1号の社員を技人国に変更することもできます。この場合は、学歴や職歴の要件と、専門的な業務への配置が必要です。特定技能の試験の合格は、技人国の要件には数えられません。
避けたいのは、技人国の社員を、在留資格の範囲外の現場業務に就かせることです。資格外の業務に就かせると、不法就労助長罪に問われるおそれがあります。
次の順で確認すると、判断を誤りにくくなります。
在留資格認定証明書の審査期間も、計画に組み込みます。2026年7月の平均は、技人国が49.8日、特定技能1号が64.1日でした。申請から入社までの流れは「海外から外国人材を採用する流れ」で解説しています。更新の手数料は「外国人社員の在留期間更新」をご覧ください。
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主な業務としては任せられません。採用当初のOJTとして一時的に現場を経験させることは、一般に認められます。ただし、OJTが在留期間の大半を占める場合は認められません。
必要ありません。技能試験と日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上)の合格で要件を満たします。技能実習2号を良好に修了した人は、試験が免除される場合があります。
通算5年が上限です。2号の試験で一定の得点を得た人などは、6年まで認められる場合があります。それ以上雇用するには、特定技能2号か、技人国など他の在留資格への変更が必要です。
農業分野と漁業分野に限り認められています。その他の分野では、受入れ機関による直接雇用が必要です。
同じ業務区分の中や、試験で技能の共通性が確認された業務区分の間であれば転職できます。受入れ機関を変える場合は、在留資格変更許可申請が必要です。
企業ごとの上限は原則ありません。ただし、介護分野は事業所の日本人等の常勤介護職員の総数まで、建設分野は常勤職員の総数までとされています。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の案件についての法的助言ではありません。分野ごとの要件は運用要領で定められ、頻繁に改正されます。申請の前に、最新の情報を出入国在留管理庁の資料でご確認ください。情報は2026年10月11日時点のものです。
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